展覧会会期:2000年10月28日(土)〜11月19日(日)
入場無料(10:00〜19:00 最終日は17:00まで 火曜日休館)
会場:神戸アートビレッジセンター 1F/エントランス、KAVCギャラリー B1/KAVCシアター他

『神戸アートアニュアル2000「裸と被―raとhi―」』には二つの傾向の作品が出品 されることになります。
 一方は物理的な血、皮膚、体、傷などを作品の支持体にしたもの、対ともなる片翼 にはそれらを別の素材、技法で見せる作品が展覧されます。 血、皮膚、体、傷などへの関心を正面 から取り上げてみたいというのが今回の企画です。 その様な傾向の作品は若年層の持っている不全感や閉塞感を表しています。また、出品者に代表されるような作家の前には素材、題材ともにその途上に自己満足という 危険な罠が待ちかまえているでしょう。より多くの社会的禁忌が立ちはだかっている 筈です。
 傷つきやすい感性とそれ以外の周りの関係性が文化の許す、あるバランスで成り 立つときにアートたりうるからと言ってテーマや素材だけで立派な作品は生まれない でしょう。私たちは無差別にこれらのタイプを擁護するものではありません。 "淘汰"の無言の手は適者を選び出すのですから。
 夾雑物をはぎ取ったテーマ、裸と被(ラとヒ、と読むことになりました)は、参加 作家が選び取ったものです。  裸は赤裸々、裸子植物、裸眼などに使われるようなベールを通 さないという意味を 持っています。また文字通り、衣服をはぎ取った裸体そのものだったり、裸体を使っ た表現を差します。
 被は、被子植物や被災、被告などに使われているようになにかを被る、受け身であ ることだったり、逆に裸を飾り立て、覆い隠すことを意味します。  二つの言葉は、正反対でありながら互いに互いを必要とする相補完関係にあります。
 裸を中心とする表現と、そうではないものもたくさん出品されることでしょう。デ フォルメされた身体。両性具有的感覚。ステレオタイプな子供像。恐怖と笑いの共存 空間。乾いたセクシャリティー、、、個々の表現形態やテーマは異なります。互いに 対、かつ相反する関係であるこのサブテーマは出品者自身の内と外に酷似しているの かも知れません。
 作品制作という表現行為によって、自分の身体や心の確認作業を行う出品者達、彼 ら選抜された若い作家達はこの種の表現が高い質をもつならば、安易な癒しや空虚な 快楽に押し流されることの無いものがここにある事を証してくれるでしょう。

2000年度主任実行委員 出原司(美術家/京都市立芸術大学教員)



・井上朋子

・荻野瑞穂
・小柳ユタカ
・杉沢栄梨
・タイ・テツヤ
・SAYURIngo
・ホンイデン+古米櫓
・三宅砂織
・みやじけいこ
・Lee Wagstaff