会期/2001年10月27日(土)〜11月18日(日)
入場無料10:00 〜19:00 最終日は17:00 まで火曜日休館
会場/神戸アートビレッジセンター
1F / エントランス・KAVCギャラリー BF / KAVCシアター・他


 スタンリー・キューブリックが描き出したスペース・ファンタジーは来るべき世紀に対する幼い頃の我々が抱き続けてきた共通 なイメージであったはず?なのでしたが、現実においてその中にズレを実感せざるを得ないことに気がつきます。あれはキューブリックが見ようとした「2001年」のカタチでしかないのです。イメージとは本来、とても個人的なものなのである、ということなのです。
 美術を取りまく状況が目まぐるしく変化してきている現状で、少し気になっていることがあります。昨今、以前にも増してイメージの共有化ということが進み、ともすればイマジネーションまでが共通 のツールと化しているような気がしてなりません。おそらくこれは映像メディアの発達とともに、誰もがそれを簡単に操作するというためのソフトの普及と少しは関係しているのだと思っています。光をも放つ映像の超現実の世界は、シュールレアリスト達が絵画の中で見ようとした世界とは桁外れの現実性を武器に世界中のありとあらゆる人々の共通 なイメージのふりをして君臨しているのでしょう。現実と虚構の曖昧となったリアリズムの中で「ある像を写 し取る(あるいは引用する)=表現」という図式は昨今、多くの人たちが用いる1つのツールです。
 また、街の中でアートは人々にとてもフレンドリーに振舞っています。わかりやすい記号やキーワードをちらつかせながら人々の好みに合わせて自在に姿を変えることなどお手のものです。絵画を構成するためのものだったはずのモチーフはみんなをハッピーにさせるためのキャラクターにとって変わり、皆無邪気に微笑みかけてきています。
 そうした美術の状況に対して決して否定をしているわけではありませんが、両者において言える共通 の問題点として自己が作品とどう関わるのか(あるいは「関わりを持たない」と否定のできる考えを意識できるかのか)という点にあるのだと思います。本来、制作は自己のものとして存在し、アートとはとても個人的なものであり、それほど容易く読み取れるものではないというのが持論です。少なくとも、ここに集まった11人は自己との対話の中から「自分だからできる」ということに忠実に制作している方々だと思っています。時代の中で速効性はないにしても、表現する者としてどのように発表を重ねて行くのかということに長い目を持って見守って行きたいと思います。個々のイメージが20世紀を代表する偉大な映画監督に秘計を取らないものと信じて。

2001年度主任実行委員 中川佳宣 



岩谷 由愛
IWATANI YUAI【絵画】
1977年生まれ 成安造形大学研究科修了

大竹 竜太 OHTAKE RYUTA【絵画】
1976年生まれ 京都市立芸術大学大学院在籍

金政 宏治 KANEMASA KOJI 【版画】
1978年生まれ 嵯峨芸術大学短期大学部専攻科在籍

木藤 純子 KIDO JUNKO【インスタレーション】
1976年生まれ 成安造形大学研究科修了

木村 望美 KIMURA NOZOMI【立体・インスタレーション】
1973 年生まれ 嵯峨美術短期大学専攻科修了

坂川 守  SAKAGAWA MAMORU【絵画】
1979年生まれ 京都精華大学在籍

中西 信洋 NAKANISHI NOBUHIRO【立体・インスタレーション】
1976年生まれ 京都市立芸術大学大学院修了

古川 智大 FURUKAWA TOMOHIRO【写真】
1978年生まれ 嵯峨芸術大学短期大学部専攻科在籍

北城 貴子 HOJO TAKAKO【絵画】
1975年生まれ 京都市立芸術大学大学院博士課程在籍

松田 香理 MATSUDA KAORI【版画】
1976年生まれ 京都市立芸術大学大学院在籍

溝江 壽之 MIZOE TOSHIYUKI【インスタレーション】
1974年生まれ 嵯峨美術短期大学芸術文化研究所修了