レコメン

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『レコメン』は関西アート人がレコメンドするアイテムを紹介するコラムです。注目のアートスポットや美術書籍など、オススメ情報をお届けします。3ヶ月に一度更新!

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VOL.20
今号のナビゲーター
アサダワタルさん

変化のさきにも流れはつづく

クレジット:かつてアサダがディレクションしていた、大阪市港区のアートスペース「築港ARC」.jpg
あの美術家が京都で作ってくれた移動式の本棚は、大阪のあのアートスペースに設えられ、そこが閉館してしまった後には、新たにできた大阪のゲストハウスのラウンジエリアと滋賀の僕の家の土間にある。このアップライトピアノは確か今は無きあのライブスペースにあり、そのさらに前はあのカフェのオーガナイザーの私物ではなかったか。そして、あのアートセンターのライブラリーにある膨大な美術雑誌群はたしか以前は…。
 関西で様々な文化拠点を往き来していると、「かつては…」を感じるモノにふと出会うことがある。確かに懐かしいがそれだけではない。むしろ、状況が変化しつつも逞しく図太く継続している「流れ」の方に意識が向く。昨年京都で開催されたあるイベントにて対談した若手劇作家は、僕のこのような話をうけて「それって内輪な感じがして、関西のそういう感じが好きじゃない」と答えた。なるほど。でも、上流からゆらゆらと流れてくる誰かが放った笹舟のようなモノにばったり出会うことは、自身の現在地や基軸を再確認させてくれる大切な機会であるとも、僕は思うのだ。
 人は変化を迫られるとき、戸惑い躊躇うものだ。でもそのとき、これまで培ったモノやコトを手渡せる誰かや何処かの存在を意識できたならば。変化の先にも流れは続くことを証明するためにも、手を変え品を変え、僕らはやり続けるのだ。


アサダワタル(日常編集家)
1979年大阪生まれ。言葉と音楽を駆使して、「表現×日常」のバリエーションを発明。著作に『住み開き』(筑摩書房)、『コミュニティ難民のススメ』(木楽舎)、CDに『歌景、記譜、大和川レコード』(路地と暮らし社)など他執筆参加音源多数。あわせて多様なコミュニティ現場でアート(音楽)プロジェクトの企画演出を行う。SjQ/SjQ++ドラム担当、博士(学術)。

イラスト:manna

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VOL.19
今号のナビゲーター
小吹隆文さん

アートをきっかけに六甲山を再発見

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 私はフリーの美術ライターを生業としている。職業柄展覧会を沢山見るが、その量が尋常ではない。年に1500前後は見ているだろう。数が多ければ良いというものではないが、数をこなすことで見る目が養われるのもまた事実である。美術館、ギャラリー、アートセンター、その他諸々を分け隔てなく鑑賞する悪食スタイル。そんな私が秋の神戸で注目しているのが、9/14~11/23に六甲山上で行われる「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2016」だ。
 2010年から始まったこのイベントでは、六甲山上の様々な施設や自然の中に作品が設置される。観客は散歩をしながらアートを体験し、同時に六甲山の豊かな自然環境を満喫できるのだ。六甲山といえば、神戸っ子は家族や学校の行事で何度も出かけた思い出の場所だろう。恋人と100万ドルの夜景を眺めた人も少なからずいるはずだ。しかし、社会人になっても六甲山を訪れる人は、どれぐらいいるのだろう。意外と少ないのではないか。そんな人こそ「六甲ミーツ・アート」に行くべきだ。私自身、取材のために約20年ぶりに出かけたが、お目当てのアート作品と同じかそれ以上に六甲山の自然に感動した。都会のすぐ隣にこれほど豊かな環境があるのは素晴らしい。灯台下暗しとはまさにこのこと。六甲山という近場のリゾートを再発見して、ライフスタイルに組み込むよう提案したい。


小吹隆文(美術ライター)
1964(昭和39)年生まれ。情報誌『ぴあ関西版』編集部の美術ページ担当を経て、現在はフリーの美術ライターとして活動。新聞、雑誌、ウェブなどに美術系の記事を寄稿している。とにかく現場に足を運ぶことをモットーにしており、見た展覧会の数だけは多い。その模様はFacebook、Twitterで見られる。「小吹隆文」で検索を。

イラスト:manna

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VOL.18
今号のナビゲーター
吉田有里さん

「アイデアや知恵をまちに持ち寄る」

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 2015年秋に、名古屋の港まちでアートプログラム Minatomachi Art Table, Nagoya [MAT, Nagoya] がスタートしました。まちづくりの拠点となるMinatomachi POTLUCK BUILDINGは商店街の中にあり、ボートピアやスナックなどの昭和の雰囲気が残るまち並みは、どこか新開地にも似た光景があります。
 「POTLUCK(ポットラック)」とは、“料理を持ち寄る”という意味があります。アイデアや知恵、時には問題を持ち寄って、街の課題を創造的に解決したいと考えています。ここには、地域の人、県外から来た人、人生相談に来る中学生、お裾分けしにきてくれる人など毎日いろいろな人が訪れます。展覧会、スクール、空き家再生、アーティストの制作環境の提供などを行っているので、来訪者がアートの制作現場や作品に触れて、感想を直接話す事ができるのも醍醐味です。
 「アートはまちを変えたりしないけど、アートやアーティストを受け入れることのできるまちは、多様性や価値観の違いを肯定できるまちになるだろう」という願いで、アートがまちのテーブル(議論を展開する/思考のきっかけとなる)になれたらと思っています。もともと港は多様性を受け入れてきた歴史があります。港まちならではのアートとまちの関係性を構築したいと思います。


吉田有里(MAT, Nagoyaプログラムディレクター/港まちづくり協議会)
1982年東京都生まれ。名古屋市在住。BankART1929勤務、あいちトリエンナーレのアシスタントキュレーターを経て、現在は名古屋の港まちをフィールドにしたアートプログラムMinatomachi Art Table, Nagoya[MAT, Nagoya]のプログラムディレクターを務める。

イラスト:manna

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VOL.17
今号のナビゲーター
矢津吉隆さん

「萃点になるところ」

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 博物学者の南方熊楠が1903年に仏教学者で僧侶の土宜法竜に宛てた書簡に“萃点(すいてん)”という言葉が登場します。“萃点”とは熊楠の造語で複数の因果が交錯し集中する点のことを指しているそうです。物の理には因果があり、必然偶然に拘らず多くの因果が集まってくる特異点のようなものが存在し、そこから物事を辿ればすべてに繋がっていく…。私が作ったクマグスクは 京都における“萃点”のような場所だと言えます。クマグスクは所謂アートスペースですが、美術鑑賞の方法として宿泊という形態をとっています。美術は現在進行形で多様化し、時間をかけないと伝わらない(もしくはそもそも認識すらできない)表現も多く存在します。美術館やギャラリーといった既存の枠組みでは回収できていない現状があるのではないか…、それが出発点となりました。また、アーティストが日本で生きていくことの困難さも動機となっています。日本にはアートマーケットがないと言われていますが、一方で、地方で開催される芸術祭を巡る旅など体験ベースの消費行動は以前に比べて増えています。それが日本人向けの消費の形なのかもしれません。現在、クマグスクでは新たなプロジェクトも進行中です。いずれ、クマグスクが美術だけでなく様々な表現の集まる“萃点”になればと願っております。


矢津吉隆(美術家、kumagusuku 代表)
2004年京都市立芸術大学美術科彫刻専攻卒業。京都造形芸術大学非常講師。2013年、AIRプログラムでフランスに2ヶ月間滞在。2012年から宿泊型アートスペース kumagusukuを始動、瀬戸内国際芸術祭2013 醤の郷+坂手港プロジェクトに参加。2015年KYOTO ART HOSTEL kumagusukuをオープン。

イラスト:manna

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VOL.16
今号のナビゲーター
三ノ宮耕介さん

自分の「まち」

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 大分市では、今年7~9月に「おおいたトイレンナーレ2015」を開催しました。私は、トイレンナーレのフィナーレを飾るクロージングイベントで、アーティスト・ユニット「ナデガタ・インスタント・パーティー」による「ルーフトップ・メリーゴーランド」を担当しました。ビルの屋上に人力で動く木製のメリーゴーランドを作り、その周りでステージや屋台などのお祭りを行う、たくさんの人を巻き込む参加型のプロジェクトです。ステージの出演や屋台の出店の交渉。アーティストと一緒に街外れの廃校へ行き、会場作りに必要な大量の資材の調達。街の酒屋さんからステージを作るためのビールケースの調達。直前まで続けたチラシの配布。イベントの準備と制作のために、とにかく街のなかを走り回りました。
時には厳しい声をいただきながら、街の人と一緒になって考え、行動することで、信頼関係が築かれていくということを肌で感じました。今では「おーい、三ちゃん」と声をかけられるほど、街の方との距離が近くなりました。
自分の「まち」を想い、対話し、行動することで改めて自分の「まち」を知り、「まち」の新たな魅力を発見、創造するきっかけを作るプロジェクト。そこに関わることができたことは、私の大きな財産となっています。
 これからも、「まち」の皆さんと一緒になって、更に魅力あるまちを目指していきますので、ぜひ大分へ遊びに来てください。


三ノ宮耕介大分市商工労政課 主査
趣味:トイレの清掃パフォーマンス。おおいたトイレンナーレ実行委員会では、大分市に所縁ある芸術家、赤瀬川原平らが東京オリンピックの年にあわせて行った「首都圏清掃整理促進運動」と11月10日の「いいトイレの日」になぞらえ、白衣にマスク姿でトイレを磨き上げるという活動を毎月10日に行っています。

イラスト:manna

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VOL.16
今号のナビゲーター
平林恵さん

「新しい視点を手に入れる」

レコメン_差し替え.jpg横尾忠則《東京Y字路》展示風景 壁も床もベンチも、横尾さん撮影のY字路写真で埋め尽くされています。  今年4月、横尾忠則現代美術館に着任し、「横尾忠則 続・Y字路」展を担当しています。「Y字路」は、横尾さんのライフワーク。15年分のY字路作品から、新近作約70点を紹介するこの展覧会の構成が初仕事となりました。与えられた素材でどんな料理を作るか、といったところです。固定した様式をもたない横尾さんの「Y字路」は、バリエーションが豊富なうえ、1点1点に強い個性があります。素材の持ち味を引き出しながら、その多様性がひとつの世界観として提出できるようなコースを作りたいと思いました。
 まずは素材を知るために、作品写真とにらめっこする毎日。すると、見慣れていたはずの作品から、見落としていたモノが次々と見えてきます。さらに不思議なことに、日常の風景さえ違って見えてくるんですね。そういえば、かつて自分が住んでいた町を横尾さんと歩いた時、横尾さんが興味をもって立ち止まるポイント一つ一つが自分にとっての新しい発見だったことを思い出しました。
 横尾さんの絵画には、横尾さんの目で選ばれ、その感性で変換されたモノが詰まっています。知っているはずのモチーフも、見れば見るほど謎だらけ。じっくり向き合えば、帰り道の景色が変わって見えるかもしれません。
 ぜひ濃密な素材の数々を味わってみてください。もちろん、コースとして美味しかったと感じていただけたら嬉しいです。


平林恵横尾忠則現代美術館学芸員
熊本生まれ、岐阜育ち。学生時代を東京で過ごした後、1995年から岐阜の「養老天命反転地」、2006年から金沢21世紀美術館の学芸員をつとめ、2015年4月から現職。企画展「横尾忠則 続・Y字路」は11月23日まで開催。

イラスト:manna

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VOL.15
今号のナビゲーター
原久子さん

「アートで山開き」

國府理「森のドライブ」六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013より.jpeg國府理「森のドライブ」六甲ミーツ・アート 芸術散歩2013より
 六甲山にちょっとした異変が起きています!阪神間で六甲山といえば、それぞれの中に思い出やイメージがあると思います。トレッキング、ゴルフといったスポーツを介して親しまれてきた山ですが、6年前から「アート」という新たな魅力が加わり、山の様子に変化が表れました。毎年9月上旬から約2ヶ月、六甲ケーブルの駅舎、ケーブルカー、六甲高山植物園、環境をエネルギーとして変換させ建築に反映することで知られる建築家三分一博志の設計による展望台「六甲枝垂れ」ほか各所の施設内外で、六甲の自然と呼応した現代アート作品を体験しながら散策できます。バスのなかでお仲間に作品の解説するリピーターの姿に遭遇することもしばしば。“ミーツ・シアター”と題したダンス、サウンドのパフォーマンス企画も加わり、日が暮れた後の時間を過ごした帰りには眼下に広がる夜景を満喫できます。
 作品公募部門には高校生からシニアまで、視覚だけでなく五感で体感できるチャレンジングな企画が今年もたくさん寄せられ、若手の登竜門的な公募として人材を輩出する場としても位置づいてきました。
 今年はしばらく閉じられていた安藤忠雄設計の「風の教会」も展示会場として公開されるので、アートファンならずとも、秋の六甲で健康的なアート体験を!

 *「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015」 2015/9/12〜11/23

原久子(アートプロデューサー/大阪電気通信大学教授
80年代半ばから展覧会・イベント企画、編集、執筆、コンサルティングなどアートに関わる仕事から離れられず、国内外を今年も東奔西走の日々を送っています。80年代以降の関西美術をまとめること、アジアとの関わりをかたちにすること、科学・技術と文化芸術を「と」抜きで語れるようになることが引退までの課題です。

イラスト:manna

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VOL.14
今号のナビゲーター
高橋怜子さん

「非××的!?「会議」のじかん」

スクリーンショット 2015-04-04 9.55.41.pngある日のランチタイムの一コマ。時間になると自然と集まっては話も弾む。  C.A.P.事務局で働きはじめてもうすぐ3年目。お気に入りのオモチャを見つけては遊び倒す子供のような大人たちと一緒に過ごす毎日は、文化祭前夜のようでワクワクする時間です。そんなめまぐるしく過ぎていく日々の中で考えることは、世代や職業、しまいには国境をも飛び越えて、いろんな人が自由に意見を交わすことのできる空間、そしてそこから生まれるゆるやかな「つながり」がC.A.P.なのではないかということです。イベントに向けてドリンク販売用にと制作し始めたワゴンがいつの間にか人も乗れる列車の形になっていたり、30名近くのミュージシャンがジャンルを超えて即興セッションをするライブでは最終的に演奏者と観客の垣根もなくなっていたり、、、いろんな人が関わることで企画の時点では思いもよらなかったカタチに変化する様を見守ることができるのは、事務局の特権であり、やりがいを感じる瞬間でもあります。
C.A.P.の和名は「芸術と計画会議」です。名前に「会議」がつくぐらい話し合いは日常風景ですが、それらは決して堅苦しいものではありません。おいしいものを囲みながら他愛もない話に花を咲かせていると、いつの間にか面白いコトにつながっていくのがいつものパターン。だれでもいつでも参加OK。ふらっと立ち寄って、あなたのハマっているコトや面白いコト聞かせてください!

高橋怜子(C.A.P.事務局スタッフ
1988年新潟生まれ。大学進学を機に京都に出てきてから、少しずつ西へ移動。故郷への愛も育てつつ、現在は神戸の西端の海っぷち在住。C.A.P.とは大学在学中からのおつきあい。2013年6月より現職。同年よりスタートした神戸文化祭の実行委員も務める。

イラスト:manna

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VOL.13
今号のナビゲーター
江上ゆかさん

「震災20年、語りあう場」

レコメン写真.JPG担当者によるミーティングもまた、語りあう場のひとつ。 2015年1月17日で、阪神・淡路大震災から20年。経験者にとっては決して忘れられない出来事ですが、20年が過ぎ、当時のことを直接には知らないという方も増えています。それでもこのエリアに住む以上は、そして災害の絶えない昨今だからこそ、他人事ではなく自分の問題として震災を考えるべきじゃないのか、でもどうやって……?そんな方にぜひご参加いただきたいのが「阪神・淡路大震災・語り継ぐこと/リレートーク」です。
 震災から20年にあたり、神戸周辺の美術館や博物館では、震災関連の企画が多数開かれています。震災を描いた美術作品や、被災作品を救出する「文化財レスキュー」、防災グッズや衣服のデザイン、また当時の文化活動のリサーチプロジェクトなど、テーマも実にさまざま。こうした企画の担当者が、それぞれに重なり合うテーマで館から館へとリレー形式でつなぐトークイベントを、1月から6月にかけて開催します。
 トークイベントと言っても、何か結論を出すようなものではありません。担当者同士が、また時にはお客さんも交えて肉声で語りあうことで、「忘れず、考え続ける」ためのきっかけを見つける場にしたいと考えています。今のところ全9回予定されていますが、どれか1回だけでも参加できますので、興味のあるテーマがあれば、気軽に覗いてみてください。

江上ゆか(兵庫県立美術館 学芸員)
兵庫県の東の端に生まれ、一瞬京都、のち神戸で就職して、はや二十余年。気がつけば神戸が人生で一番長く住んだ町に。リレートークには2月21日と28日に登場、詳しくは「阪神・淡路大震災・語り継ぐこと/リレートーク」のFacebookページにて。

イラスト:manna

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VOL.12
今号のナビゲーター
大村 都さん

「匠の技を肌で感じる博物館」

竹中大工道具館外観.jpg 日本はものづくりの国です。なかでも大工の手仕事を支える大工道具は「道具の王様」といわれ、そこには日本人ならではの美意識や心遣いが秘められています。そんな大工道具を専門とした博物館が神戸にあるのをご存じでしょうか?
 「竹中大工道具館」は日本唯一の大工道具の博物館として1984年、中央区中山手に開館しました。今年、開館30周年を迎えるにあたり、新神戸駅近くの竹中工務店ゆかりの地に移転し、新館をオープンします(10月4日開館)。展示室では、約1,000点の大工道具と、迫力の実物大模型、実際に触れることのできる展示など、五感をフル活用して大工道具の世界をお楽しみいただけるようになっています。
 さらに建物のいたるところには伝統の職人技がちりばめられています。例えば、奈良県産の杉を使った舟底天井のロビーや淡路島の職人が焼き上げた敷瓦の中庭、チョウナという道具で削られた名栗板(なぐりいた)の自動ドア、鉋(かんな)鍛冶が仕上げた案内サインなど、細かなところにも職人技で工夫が凝らされています。まさに博物館そのものが、日本が世界に誇る職人の技をリアルに感じてもらえる場となっています。どの場所が伝統の技で、どの場所が現代の技なのかをチェックして回るのも新しい竹中大工道具館の楽しみ方の一つです。ぜひ遊びに来てください。

大村 都(竹中大工道具館 研究員)
京都生まれ、大阪育ち。子ども向けの体験教室や出張授業などの教育プログラムを担当。趣味は茶道と金継ぎ。新館の目玉展示のひとつは、数寄屋大工の繊細な仕事を間近に見ることのできる実物大のスケルトン茶室。茶道好きの人は必見です。

イラスト:manna

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VOL.11
今号のナビゲーター
松本ひとみさん

「セルフ・ビルドのすすめ」

IMG_1147.jpegKIITO中庭の様子(2013) KIITOで展開している「セルフ・ビルド・ワークショップ」。KIITOの建物は、延床面積14,000㎡弱と、とっても広いんです。みなさんとアイデアを出し合い、面白く活用できる場所を見つけ、人が集まる居心地の良い場作りをしたいという思いで始めました。
 その中で、昨秋から中庭づくりに取り組んでいます。もともとは何もない殺風景な場所でしたが、アーティスト・ユニット「生意気」により、緑いっぱいの場所に様変わりしました。まず素材集めから始めました。土は六甲山や姫路、淡路島から。植物は嵐山の山奥や、その他数えきれない場所から。その後ワークショップを開催し、20名ほどの参加者のみなさんと一緒に、土のブレンドや植物の植え替え、竹を使ったプランター作りなどを行いました。完成後も定期的に集まり、掃除や雑草抜きなどのメンテナンスを行っています。その甲斐あって、居心地のいい空間が維持できています。
 今年は中庭にさらに手を加えながらも、館内の他の場所を新規開拓!する予定です。周囲をとりまく環境を見つめ、アイデアを出し、手を加えることで少しずつよりよくしていく。これこそ、私たちが日常において実践できる小さなデザインではないかと思っています。是非、身の回りのセルフ・ビルドを始めてみませんか?

松本ひとみ(P3 art and environmentデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)
1986年熊本県生まれ。2012年よりKIITOの企画担当を務める。生活とアートは切実に密接に関わるものだ!を座右の銘に日々奮闘中。コケとフクロウ、B級と付くものを愛する。最近のプロジェクトに、「セルフ・ビルド・ワークショップ 生意気とつくるKIITOの庭」、「KIITOアーティスト・イン・レジデンス2013 濱口竜介」などがある。

イラスト:manna

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VOL.10
今号のナビゲーター
大槻晃実さん

「美術館を楽しむ-美博のお庭」

2012年堀尾さんWS.jpeg「アートピクニックvol.2 呼吸する美術」展 クロージングイベント「あたりまえのこと(新聞紙と袋)」(2012年) とんがり帽子とカラフルな外壁が目印の当館は、KAVCさんと同じ「坂倉建築研究所」の設計です。館内に入ってすぐの14mの吹き抜けのエントランスホールやまっすぐな壁面が少ない展示室など内部も特徴的で担当者泣かせの一面を持っていますが、作品が並ぶと魅力的な空間に変身するという素敵な建築物です。併設のお庭も自慢の一つ。陽が射す頃には雲や植栽の黒松の影が外壁に写り、美しい模様が目を楽しませてくれます。ご来館のお客様やご近所の方の憩いの場としてお使いいただいているほか、春と秋の芦屋アート・バザールや夏祭り、展覧会関連のワークショップを開催。今年の夏は彫刻家の築山有城さんと「だるまさんがころんだ」などをお庭で楽しむイベントも構想中です。
 芦屋には、ベッカライ・ビオ・ブロートやパンタイム、ビゴの店、タマスなど美味しいパン屋さんや、あしや本竹園の揚げたてコロッケ、メツゲライクスダといったテイクアウトもできるデリカテッセンがあります。もうすぐ桜の季節、散歩日和が続きます。芦屋でお味散策をしながらご来館いただき、お庭でピクニックはいかがでしょう(これもアートピクニック!)。美博のお庭をマイガーデンに、それぞれの楽しみ方を見つけて下さい。展覧会鑑賞だけではもったいない。美術館の楽しみ方は無限大です。

大槻晃実(芦屋市立美術博物館 学芸員)
生まれも育ちも西宮。大型免許をとってバスやトラックを運転するのが夢。2014年秋に予定している特別展「窓の外、恋の旅。/風景と表現」を準備中。最近の企画に「アートピクニックvol.3 マイホーム ユアホーム」「菅井汲/松谷武判 print works」(2013年)。

イラスト:manna

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VOL.9
今号のナビゲーター
築山有城さん

「大人の!?『神戸文化祭」』」

IMG_3192.JPG 今年、C.A.P.が実験的にスタートさせた神戸文化祭は「私はここでこんなことをやってます!」と誇りを持って手を挙げる人々をゆるく繋げる大人の文化祭です。
 神戸市内のあまり知られていないかもしれない楽しい場所や人を、年に一度いっせいに見せられればおもしろいことになるんじゃないかと。5年後、10年後の未来を見据えてみんなで育てていければと思っています。2014年の開催日は11月2、3日です。みなさん手を挙げていただければと思います!
 今年、私はradio Q2という42時間USTラジオ生配信に挑戦しました。たくさんのゲスト(お友達)に来ていただき、襲ってくる睡魔と戦いながら昼夜を問わず色々な話を発信し続けました。なぜそんな過酷なことを!?と、けっこう聞かれました。答えは簡単で「やってみたかったから」です。次々にやってくるゲストの方々と対面で約1時間話すということはそれぞれに貴重な体験でした。こういった新たなチャレンジでも参加できる神戸文化祭。私は今後もワクワクできることに誇りを持って挑戦したいと思います。 

築山有城(彫刻家)
1976年神戸生まれ。木材、金属、塗料など様々な素材の特性をつかみ、落下、乾燥、溶解など地球の力を拝借して作品を制作している。
09年よりC.A.P.(芸術と計画会議)理事、13年より神戸文化祭実行委員会メンバーを務める。

イラスト:山内庸資

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VOL.8
今号のナビゲーター
遊免寛子さん

「チャンネル☆オン!」

2-JP?B?GyRCRTUbKEIgGyRCIVRARUoqGyhCLTEyLQ=BCプリント.tif小林且典《静物-12-2013》タイプCプリント チャンネル(channel)ということばを聞いて何を連想しますか?そう、真っ先に思い浮かぶのはテレビのチャンネルですよね。この「チャンネル」という言葉を冠した展覧会を、兵庫県立美術館では毎年開催しています。
 チャンネルという単語には、「海峡」や「局」、「交信」など様々な意味があり、本展を通して観客とアーティストがつながっていくことを願って名付けられました。
 毎回、担当学芸員が注目の作家を紹介している本展。4年目を迎える今回は「薄白色の余韻  小林且典」と題して、兵庫県出身の彫刻家・小林且典さんの個展を開催します。小林さんは、瓶や皿、壷など日用品をブロンズや木彫で表現し、その作品を室内に配した風景を自作レンズによるカメラでフィルムに焼き付けています。皆さんは、彫刻家の小林さんが写真も発表されていることを不思議に思われるかもしれません。しかし、その間には、欠かすことの出来ない繋がりがあるのです。
 思えば美術館は、さまざまな回路を形成する場所です。人と作品、人と人、作品と作品、実に多様なチャンネルが存在します。
教育普及担当者として、美術館であなたの新たなチャンネルを見つけるお手伝いをしたいものです。

遊免寛子(兵庫県立美術館学芸員)
三重県の伊賀出身。11月2日(土)から12月1日(日)まで「注目作家紹介プログラム チャンネル4 薄白色の余韻  小林且典」を無料・無休で開催予定。エデュケーターとして、主に子ども達が美術館や作品、作家と出会う場作りに尽力しています。

イラスト:manna

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VOL.7
今号のナビゲーター
和田かおりさん

「私もあなたも涼しい夏」

014.jpeg 夏着物の展覧会を準備中です。浴衣で花火に盆踊り、夜店へ出かける方が年々増えていて、町角で見かける白や藍地のしゃきっと纏(まと)った姿やカランコロンと下駄の音を耳にすると、なぜかほっとします。
暑いイメージの強い和装ですが、綿素材の浴衣は汗をよく吸い、麻の織地は凹凸と肌に触れる面積が限られてさらっとしています。絽(ろ)や紗(しゃ)など夏限定の着物や帯は、透けるように織られ風を通す工夫があります。洋服も素材の特徴を生かすと驚くほど快適に過ごせます。
また、着物に見られる模様には水の流れや船、更には雪輪など水や涼を連想するもの、朝顔や芙蓉(ふよう)などの夏の植物のほか、盛夏の装いには桔梗(ききょう)や撫子(なでしこ)、萩など秋の草花が描き出されます。季節をわずかに先取って装うことで、目で見る清涼感を周囲へ伝える心遣いが秘められています。これも、自らもまわりの人も涼やかにする着物の工夫です。
暮らしに涼をとりいれるなら、椅子や敷物、建具を籐製品に模様替えをして、水浴でさっぱりと。風が吹けばチリリンと風鈴の音、かき氷とともにひと息ついて、蚊取り線香の匂いに包まれながら線香花火で1日が終わる…。「送り火まではねぇ」と言葉を交わしているうちに、夜の虫の音も秋色に変わってきますね。


プロフィール:和田かおり(神戸ファッション美術館学芸員)
大阪、神戸育ち。「涼をよぶロマンキモノ展―夏の愉しみ―」が7月18日より開催予定。最近の企画として「型絵染 三代澤本寿 民藝とともに―暮らしによりそう色と形」(2013年)。展覧会企画、関連イベントとともに「美術館と人がつながる」を奮闘中。

イラスト:manna

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VOL.6
今号のナビゲーター
神谷千晶さん

「自分版レビューのススメ」

仮レコメン画像.JPG『呼吸する美術』展覧会会場風景@芦屋市立美術博物館 展覧会、見っぱなしにしていませんか?今回オススメしたいのは自分版レビューを書いてみること。言葉によって記録し、思考を深め、発信することができます。
 でも何をどう書けばいいのやら。じゃあ手始めに概要を説明してみるのはどうでしょう。作家の略歴や作品ジャンル、展覧会の構成や規模。見ていない人にも伝わるように客観的事実を書けたら、次は自分なりの表現を加えてみたり。好き/嫌いな作品のこと、展覧会を通じて感じたこと。さらに「なぜ」「何」と一歩進めると、なぜ好きなんだろう?作品の背景は何?今ここで開催されている意味は?云々、どこまでも展開できますね。
 ツイッターやフェイスブックなどSNSを活用するのも良いのでは。他人の目に触れるという意識は意欲や緊張感にもつながり、また同好の士と(時には作家本人と)話が弾むかもしれません。
美術だけじゃなく、本でも演劇でも音楽でも同じ。受け手のレスポンスが多様な活況につながり、そして書いたものに映った自分の価値観や勘所を知ることができるのでは、と思っています。

プロフィール:神谷 千晶(神戸新聞記者) 
京都市出身。大学で音楽学を専攻後、2006年神戸新聞社入社。姫路支社編集部を経て、2009年から編集局文化生活部に在籍。主に美術や舞台について取材・執筆中。

イラスト:manna

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VOL.5
今号のナビゲーター
小林公さん

「大河原邦男さんのお仕事」

kavc_kobayashitadashi.jpg1982年・大河原さんデザインのトライダーG7とともに 大河原邦男さんというデザイナーの個展を準備中です。大河原さんがデザインするのはアニメなどに登場するロボットなどのメカ。ガンダムやヤッターマンに登場する「今週のビックリドッキリメカ」は大河原さんのお仕事です。
 私はそれと知らぬ間に大河原さんのロボットに魅了され大人になりました。特に機動戦士ガンダムに登場する数々のメカは、種類の多様さと一定の合理性によって生態系をも想起させるものとして、大学で美術史を学び始めてからも頭を離れませんでした。かくして大河原さんのデザインはいつか正面から取り上げるべきテーマとして設定され、今日に至ります。
 アニメの中のロボットをこの国に生まれた重要な表現として歴史化する試みには、村上隆さんの「リトルボーイ」展(ジャパン・ソサエティー/ニューヨーク 2005年)や「ロボットと美術」展(青森県立美術館他 2010年)といった優れた先例があります。これにつづく各論として、この展覧会を私たちが生きた時代の表現を考察する機会としたい。そんな思いで毎日大量の資料と格闘しています。どうぞご期待ください。

プロフィール:小林公(兵庫県立美術館 学芸員) 
1976年新潟生まれ、横浜育ち。2004年より現職。3年前より準備を進めてきた「超・大河原邦男展」が3月23日より開催予定。最近の企画として「安井仲治の位置」(201年 コレクション展Ⅲ小企画)、「林勇気展 あること being/something」(2011年)。

イラスト:manna

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VOL.4
今号のナビゲーター
山中俊広さん

「今秋の関西も、アートイベント目白押し」

レコメン:photo_yamanaka.jpg 六甲ミーツ・アート、西宮船坂ビエンナーレ、BIWAKOビエンナーレ、おおさかカンヴァス、木津川アート、HANARARTなど。これらは、関西圏で今秋に開催されるアート主体のイベントです。近年このようなイベントが全国各地で催されていますが、それらを明確に総称するものは実はまだありません。「町おこしを目的としたアート」という誤解が、アートそのものの発展に少なからず弊害をもたらしているのではと、私は思います。作家やキュレーターによる作品・展示を通じて、現地の人々の日常生活や取り巻く自然や歴史などにあった見落とされがちな価値観を提示し、または示唆させることが、こうしたアートイベントの理想形ではと思います。つまり地域とアート、双方の意義目的を明確にした上で協働することが起点であるべきと、常々感じていました。
 私自身もそんな意識を持って、11月に奈良で開催される「HANARART 2012」にて、大和郡山にある大正期の遊郭建築、旧川本邸の展示を企画します。各地域で千差万別なアートへの向き合い方にも注目しながら、今秋の関西各地のイベントへぜひ足をお運びください。

プロフィール:山中俊広(インディペンデント・キュレーター)
1975年大阪生まれ。美術館学芸員、ギャラリーディレクターなどを経て、現在はフリーランスとして、現代美術に特化した展覧会やイベントの企画、テキスト執筆などをおこなう。最近の企画に「リアリティとの戯れ」(なんばパークス・大阪、2012年)。

イラスト:manna

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VOL.3
今号のナビゲーター
渡邉智穂さん

「本と人を通して創るコミュニティスペースの実験~滋賀県大津市から」

レコメン画像:RIMG2490.JPG 今まで12年ほど関西のさまざまなアートの現場仕事を転々としてきました。いずれもアート関係者が集まる場所を運営したり、アートの情報を集めてアクセスしたい方へ届けたりと、中間支援的な立場を担ってきたと思います。
 一概には言えませんが、京都は少し歩けばすぐに何か事を主宰している人なりコミュニティに出会える。大阪は一人につながるとそこから芋づる式にさまざまなつながりが生まれる。神戸は長く活動しているスペース(KAVCやCAPなど)にアクセスしやすい。などなど、私の独断ですがこのような特徴があると思います。ともあれ土地や気候、歴史、ここ最近の社会全体の流れとあいまってうねるように変化していてどこも興味深いです。
 そんな関西のアートの状況の波に流され、私はこの6月から滋賀県大津市へ居を構え、蔵書をネタに人が集える家作りの準備をしています。滋賀や京都のアート情報をリサーチしつつ、都市部から少し離れたこの地でどんなことができるのか、自分のペースで実験を試みたいと思っています。びわ湖まで徒歩1分、環境がかなり良いのでぜひ大津へ来てみてください。

プロフィール:渡邉智穂(アートマネージャー)
1999年京都芸術短期大学映像学科卒業後、神戸NPO法人C.A.P.スタッフとして2000~2008年3月、神戸ビエンナーレ2009ボランティアコーディネーターを2008年8月~2009年12月、2010年4月~2012年3月まで大阪の中之島4117の事務局スタッフ。現在はアサダワタルオフィス事編-kotoami-の事務補佐を大津市で行っている。

イラスト:manna

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VOL.2
今号のナビゲーター
田中梨枝子さん

「美術鑑賞プログラム 大人の楽しみ方」

DSC06779_1.jpg美術鑑賞方法の一つに、対話を基本とした鑑賞があります。現在、この鑑賞方法を取り入れたワークショップの対象は子どもとするものが目立ちます。ところが、メインは子どもでも、交渉次第で大人も参加できることは意外と知られていません。興味ある鑑賞プログラムを見つけたらまず美術館へ問い合わせてみましょう(ちなみに当館は可)。「参加した所で子どもの中に入って大丈夫かしら…」、そんな心配は無用です。むしろ世代間のギャップを楽しんで、子どもの突拍子もない意見に刺激を受けつつ、感じたこと、考えたことを話し合いましょう。一緒に見る相手が変われば、いつもと違う見え方に気付く、同じ作品でも毎回違う発見がある。それが皆で鑑賞することの醍醐味です。その日その場所に集まった人々と感動を共有してください。大切なのは知識よりも思いやりです。鑑賞を通して作品と人を知り、相手との関係を大切にする会話力を磨きましょう。鑑賞後、工作や描画の時間もあるワークショップなら、今日の気持ちを大切に。きっと思い出の詰まった素敵な作品が出来ることでしょう。大人も楽しめる鑑賞プログラム、興味があれば一度体験してみることをお勧めします。

プロフィール:田中梨枝子(神戸ゆかりの美術館学芸員)
神戸生まれ神戸育ち。展覧会企画、郷土作家調査とともに、親子を対象とした鑑賞プログラムをはじめとする教育普及活動の企画・実践を行う。子どもから高齢者まで世代を問わず対話を基本とした鑑賞に巻き込むのが特技、でも人前に立つのは変な汗が止まらないほど苦手。専門は教育学、美術鑑賞教育。

イラスト:manna

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VOL.1
今号のナビゲーター 
久慈達也さん 

「KANSAI 大学博物館ガイド」
(大坪覚著/P-Vine Books 2011年9月刊行)

DSC03193.jpeg大学博物館。いかにも敷居が高そうな語感ですが、普段なかなか足を踏み入れる機会がない大学だけに、気軽に立ち寄ることができる博物館は嬉しい存在です。本書は、2009年の『TOKYO 大学博物館ガイド』に続く関西版。大学附属の博物館や資料館に注目した一冊です。取り上げられているのは80件。研究用途で集められた個性溢れる資料群は、各大学の歴史や特徴を如実に物語っています。仏教研究に長い歴史をもつ龍谷大学は、この春仏教の総合博物館として龍谷ミュージアムを開設しましたし、京都精華大学の京都国際マンガミュージアムは漫画読み放題の楽しい雰囲気。キャンパス全体を美術館に見立てる成安造形大の取り組みも興味深い事例です。戦前に活躍したW.M.ヴォーリズの建築を楽しめるのも関西ならでは。紹介されている多くの施設が無料ないし低料金というのも助かります。本書に導かれながら大学に潜む豊かな世界を覗いてみてはいかがでしょうか。それにしても「お城」を持っている大学まであるとは。奥が深いです。

プロフィール:久慈達也(神戸芸術工科大学研究員)
1978年生まれ。「アート&デザイン情報図書館」の運営をしながら、美術とデザイン、ライブラリーの周縁で活動。デザインにおける「着想」をテーマに蒐集/編集した書籍等を展示した「着想のユートピア CURATORIAL LIBRARY」展(2011.10.13〜20)を企画。専門は思想史。収集癖があり、猫好き。http://infolib.kobe-du.ac.jp/

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「変化のさきにも流れはつづく」

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